2003/02/25 Tue 「ようやくアーバンライフ」
高田馬場の私の部屋からは歩いて通える距離に3つの銭湯があったのですが、そのうち深夜2時半まで営業している宝来湯がなんと2002年9月いっぱいで廃業してしまい、それからというもの会社から終電で帰ってくると、背広を脱ぐ間もなく1時で閉まる世界湯へ猛ダッシュしなければならない過酷な生活を強いられておりました。さすがに体力の限界(C)千代の富士を感じ、部屋の契約が切れるこの2月末で引っ越すことに決めたのです。
で、引っ越し先の最寄り駅は京王線の笹塚です。会社まで乗り換えなしで行けて、なおかつ途中で新宿を通るので休みの日も定期券で新宿へ行けてしまうという点が決め手です。さらに笹塚駅は、新宿まで1駅の京王線と、都営新宿線直通の京王新線の両方が使えて、しかも新線の東行き列車の多くはこの駅が始発なので座れる確率がかなり高いという、もう便利すぎて狂い死にそうなロケーションで新たなアーバンライフのスタートです。
新居は駅から徒歩5分庭付き1DKバストイレ別で家賃69,000円というこれまたゲロ吐きそうな好条件で、しかも築25年で風呂はバランス釜でサッシ歪んでて窓が開きにくいという、荘系アパートに片足突っ込んでいる一面も見え隠れしていよいよ好感の持てる物件です。まぁ「DK」っても台所の通路が太くなっていて無理矢理そこに食卓を置こうと思えば置けなくもない程度の話で、これをもってダイニングキッチンとするにはやや語弊があるといえばあるのですがどうせ物置スペースになるだけなので気にもなりません。庭は黒土に雑草が茂っているだけのスペースですが、敷地内にバイクが置けるというのは素晴らしすぎます。
この部屋を決めたのはわずか1週間ほど前の16日です。駅を降りて一番近いところにあった不動産屋に入って「家賃7万以下で条件問いません。けどひとつだけあってバイク置けるところ」と言ったら「ふつうそんなとこないです。けどいまひとつだけあります」と出された物件だったというわけで。ウソっぽいといえばウソっぽいのですが、でも都心部でバイクの置ける部屋というのは、条件の良い駐車場を見つけることより難しい位なので、選択の余地はないと言っても過言ではないのです。すぐに部屋を見せてもらい、30分で即決しました。自分ひとりで部屋探しをするのは3回目ですが、いつもこんな感じですぐに決めてしまい、しかもなかなかいい部屋に当たっています。予算とバイク以外条件がないからでしょうね。
というわけで引っ越し準備もまるでできていないので、ほぼ2徹不眠不休で作業をしてなんとか25日朝、ヤマト運輸が来る時間に間に合いました。運送業者も3つほど問い合わせてみたのですが、月末でしかも年度の変わり目という最繁忙期の直前申し込みに対応できたのはヤマトだけでした。2トントラック一発で済ませたかったのですが、片付けが間に合わなかったので、枕とかしょう油とか雑多なものは26日に軽バンをレンタカーで借りて運びます。
朝9時から運び出しを始めて、移動して、運び入れが終了したのが11時過ぎくらいでした。疲れ切っているのでダンボール箱を開ける気にもなりません。最寄りのスーパーは駅前のショッピングモール21内にあるクイーンズ伊勢丹笹塚店でした。笹塚は世田谷区内の東急沿線エリアみたいに可処分所得に余裕のある人たちが集まっている場所ではないと思うのですが、クイーンズ伊勢丹はちょっと高めな商品を取りそろえた高級志向(それでも成城石井には及ばないか)のスーパーで、しかも全売り場の3分の1くらいはプライベートブランド商品で占められていて圧巻です。しかし私が何より圧倒されたのはこれ、値札が全部液晶表示。特価品は表示が点滅する凝りようです。売価変更なんかも端末からワイヤレスで行えるのでしょうな。
夕方になって暗くなってきて、天井に蛍光灯が付いていないことに気がつきました。そうか、普通の部屋は自分で電気を買うのか。さっそく最寄りの量販店であるヨドバシカメラ新宿西口店へ向かいます。明るいナショナル 明るいナショナル みんな うちじゅう 電気で動く、心の中で暗唱するだけでも思わず涙腺がゆるんでしまう感動的な詞です。現代かまびすしいユービクィタスを三木鶏郎氏は48年前に予言していた、なんて野暮なことは申しませんが、みんなうちじゅう電気で動くなんて。目頭をぬぐいながら白物家電の売り場へ行き、電工製のシーリングライトを購入。端っから松下以外は眼中にありません。もちろん、「取り替えるなら」なんて言わなくてもインバーターですね。壁スイッチのない部屋なのでリモコン式にしました。ペンダントはちょっと格好悪い気がしたのでシーリングにしたのですが、和室にこれはどうかといえばどうかという気もしますかね。