業務日誌

2002/02/20 Wed 〜 2002/02/21 Thur 「ニューヨーク直行便」

都会好きの私は、以前からニューヨークに行きたいと思っていました。いや人口でいったら上海とかムンバイのほうがはるかに大きいわけですが、まぁそのなんです、世界のナンバーワンシティといったらやはりニューヨークではないかと。で、先日近所のHISの前を通ったら「成田-ニューヨーク往復 \35,000〜」などというテロ価格が出ていたので、こんなに飛行機が安いことはこの先ありえないだろうと思い、航空券を購入してしまいました。実際には看板よりさらに安くて32500円でした(空港使用料やら入国税やら消費税やらを入れると渡航費は合計でプラス約1万 予約クラスはQ)。

実は昨日まで体調が悪くて、なんにも下調べをしておりません。準備といえば新宿区立中央図書館「地球の歩き方 ニューヨーク」を借りてきたくらいです。でもガイドブックとパスポートと現金と航空券があれば、あとは国内旅行とたいして変わることもないでしょう。銀行で購入した200ドルを持って、リュックに着替えを詰めて成田空港へ。高田馬場-日暮里-(京成線)-空港第2ビル駅、いやー成田は遠い遠い、2時間くらいかかりました。

成田空港の中は右を向いても左を向いてもJALの3文字という雰囲気でしたが、今回私の乗る飛行機はコンチネンタル航空になりました。日本の航空会社指定だと航空券の価格は約2倍でしたよ。さて、体調が悪かったせいで3日くらい風呂に入っていなかったので、待ち時間の間に空港のシャワールームを利用します。狭いですがちゃんとバスタブもついたきれいな個室で、これで30分300円っていつも行っている銭湯より安いじゃん。ただ、出国審査ゲートの先なので、日本を出国してしまった人しか使えません。

ボーイング777ゲートに向かってテクテク歩いていくと、来たー!「トリプルセブン」ことボーイング最新鋭(といっても登場からずいぶん経ちますが)の「777」ですよ。エコノミークラスの座席にも全部液晶ディスプレイがついていて高度40000フィートでムダにソリティアが楽しめるあれです。離着陸時の乗務員への指示「Flight attendants, please be seated for departure.」とかも自動音声で入ってカッチョイイです。で、飛行機もさることながらサービスもなかなかよくて、アナウンスは英語に加えて必ず日本語でも行われるし、日本人乗務員以外も愛想のよい人ばかりで、安いのにとても快適なフライトでした。

12時間半経過

はい、アメリカはニュージャージー州のニューアーク空港に到着しました。成田からのニューヨーク直行便はほとんどがニューヨーク州のJFK空港に到着するようですが、コンチネンタル航空はニューアークです。バスに乗ってマンハッタン方面へ向かいます。バスの中で、隣の席の初老の紳士に話しかけられていろいろと話をしました。「ジャパンエアラインズで来たの」「いえ、日本の航空会社はとても高いのでコンチネンタルで。日本の航空会社はJFK空港に行くみたいです」「私はJFKよりもニューアークのほうが好きだ。都心から近いし、広くないからわかりやすい。JFKは広すぎてクレイジーだよ」

マンハッタンへ渡るころには、渋滞が激しくなってきてときどき動かなくなってしまいます。「ニューヨークは渋滞がひどいから車で移動するのは時間がかかる」「東京も毎日渋滞です。都心にはMetropolitan highwayがありますけど、名前はハイウェイでも車はとてもスロウで、日本一長い駐車場という人もいますよ」「ちょうど同じことをいま言おうとしたところだよ。Long Island ExpresswayはThe longest parking in the worldだ、ハハハハ」ハハハハ、でも私が言ったのは「in Japan」、この人が言ったのは「in the world」で、うーんやっぱり物事を考えるときのスケールが違うのかもしれません。

ニューヨークには大きなターミナル駅がふたつあって、ひとつがGrand Central Terminal、もうひとつがPennsylvania Station(と正式名称を言う人は誰もいなくて、みんな「ペンステーション」と呼ぶ)です。私は後者で降ります。さて、着いたころにはもう夜なのですが、まだ泊まるところも予約していません。とはいえ、ニューヨークは世界で一番ホテルが高い街なので、まともなホテルに泊まるような金のない私が行くところといえば、いつものようにユースホステルに決まっています。

Hostelling International - New York市バスに乗り換えて、Hostelling International - New Yorkに向かいます。さすがニューヨーク、ユースホステルのデカさも世界一で、収容人数は624人! しかも24時間開いていて夜中でも出入りが可能です。門限は夜8時なんていういい子ちゃん文化の日本式ユースホステルとはえらい違いです。それにしても、予約もないしユース会員証の有効期限はとっくに切らしているし、大丈夫なのでしょうか。さっそくフロントへ。「イクスキューズミー アイ ドント ハバ えーと」「Reservation? No problem!」「アンド、アイム ナッタ メンバー」「No problem!」「センキュー ベーリーマッチ」そしてパスポートとクレジットカード(JCBでもOKという)を見せて、紙にサインをしたら、カードキーを渡されて終了。住所「Japan」って、それだけでよいのですか。

1泊あたり10〜12人部屋が29ドル、6〜8人部屋が32ドル、4人部屋が35ドルで、ユース非会員でも3ドル増です。日本だと非会員は1000円も高くなるのに。さすがに10人部屋とかだと騒々しいかなと思い、6〜8人部屋にしました。部屋へ行くと実際には2段ベッド3つの6人部屋でした。部屋にいたケビンと名乗るボストンから来た同い年のやつと、近所のレストランへメシを喰いに行きました。ケビンは役者を目指していて、大学を出たら演劇の学校に進学することを希望していて、そのオーディションのためにニューヨークに来ているということでした。それでなくてもニューヨークは好きで毎月来ているということで、静岡に住んでいるころに毎月東京へ来ていた私のようなものですな。わりと気が合ったので、滞在中いろいろわからんことはケビンに聞きました。

券売機さて、次の日の朝からはいよいよ市内を見て回ります。5泊6日の旅程ですが、初日と最終日は飛行機の中だし、日付変更線をまたぐ関係で1日はワープしてしまうため、実質的に観光に使えるのは3日だけです。まぁ何事も基本は大事だろうということで、わりとベタなところを見てきました。地下鉄・バスの共通1日乗車券が4ドルと安いので、それを購入して移動しまくります。券売機は画面のデザインもふくめてなかなかカッチョイイです。

ニューヨークといえば世界の経済の中心だろうということでひとまずウォール街へ向かう地下鉄に乗ります。そろそろかなと適当に降りたらワールドトレードセンターのすぐ近くに出てしまっていきなりヘビーです。仮設の観覧台が作ってあってそこからグラウンドゼロを見られるようになっているのですが、あまりに見に来る人が多いので整理券制になっています。あとで整理券を取りにいくことにします。

ニューヨーク証券取引所ぜひ中を見たいと思ってNew York Stock Exchange(ニューヨーク証券取引所)にやってきましたが、入り口にはテントが立てられ、そこで金属探知器のゲートをくぐらなければならなくなっていて物々しい様子。そこにいた警官に、観光客だけど中に入れるのかと聞いてみると、「ノー、Sep.11からずっとクロースドだ」ということであえなく退散。ニューヨーク市役所なども同様で、ちゃんとした用のある人じゃないと中に入ることはできませんでした。テロ以前は無料のガイドツアーも行われているほどウエルカムな場所だったのに。街全体としてみればテロがあったことすら感じさせませんが、オフィシャル系の場所の警備はいまでも非常に厳重です。

ニューヨークストッキング取引所WTCチケットちなみに左写真中央は、近くにあったNew York Stocking Exchange(ニューヨークストッキング取引所)です。ギャハハハ。WTC観覧台の券をもらいに行ったら、今日の夜か明日の朝の分しかもうないということだったので、夜よりは朝のほうがいいだろうということでそれをもらいます(写真右)。

マンハッタン

フェリーの上から撮ったマンハッタンです。わざわざ私が船にまで乗って景観を楽しむなんてどんな風の吹き回しだという感じですが、このフェリーがタダだからです。マンハッタンの南にスタッテンという島があってそこもニューヨーク市内なのですが、同じ市内なんだから自由に行き来できないと島の住民にとって不平等だとかいう自由と平等の国アメリカらしい理由が表向きですが、実際は政治家の選挙対策のようです。

タイムズスクエアタイムズスクエアはニューヨークの中心地で、電飾も一番ハデなところです。劇場や映画館やクラブやバーや高級レストランが軒を連ねます。世界的一等地にいると思うと気分がいいです。ただ、日本でいうとどこにあたるのだろうと考えたとき、意外とこういう場所はないような気がします。たぶん新宿が一番近いのでしょうが、新宿ってハレとケでいえばケの部分のほうが多いような街で、飲み屋にしたって大人がお酒を楽しむというよりは、ワイワイ騒ぐか仕事帰りの一杯という店が前面に出ていて、歌舞伎町なんかは日本最大のエンターテインメントシティでありながらどこか生活感が抜けきらない部分がある。日本では実質的にサブカルチャーがポップカルチャーを支配してきたなんてよく言われますが、新宿なんていうのはまさにそんな街で、本来の意味でのポップカルチャーしか存在しないタイムズスクエアとはやっぱり全然違うなという感じがします。買い物してミュージカル見て高い酒飲んで、金をバンバン使って楽しむ、そんな文化からほど遠い私を受け入れてくれる空気はタイムズスクエアにはないような気がして、そしてその感覚はニューヨークにいる間私がずっと感じ続けた違和感でもありました。まぁジュリアーニ市長以前はタイムズスクエアもずいぶん猥雑で夜遅くは地元の人も歩けないような場所だったそうなので、新宿もいずれはここのようにポップになっていくのかもしれませんが。

モトローラ看板それにしてもこのモトローラの広告はハデだね。しかも、ただ携帯電話を模した看板が壁についているだけじゃなくて、この画面にちゃんと表示機能がついていて、ショートメッセージ風の文字が次々と流れていくという。これは見た目にも面白くてカッチョイイので、ぜひ日本の電話メーカーもどこかでやってほしいと思います。さて、この近くに「easyEverything」というインターネットカフェを発見したので入ってみたら端末が800台もあってムチャクチャ広い。それでもかなりの端末が使用中で、みんなこんな街中まで出てきてなぜインターネット。

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