2001/11/25 Sun 快晴 寒 「電通大調布祭公開ゼミナール」
先週からJR東日本が非接触型ICカード「Suica」のサービスを開始しています。さっそく私もカードを購入して利用してみることにします。2000円のカードで1500円分使えて、500円は保証金です。カードを返すと500円も戻ってきます。残高のなくなったカードは券売機で再びチャージすることができて、1枚のカードには最大2万円まで入金できます。 というシステムの細かい点はともかく、なんといっても最大の特徴は、カードを自動改札機に投入しなくてもかざすだけで通ることができるということです。しかもカードがサイフや定期入れの中に入ったままでも大丈夫ということなので、本当にそれで使えるのか試してみます。サイフの中で一番外側になる位置にSuicaを入れて、自動改札機上の緑色に光る円の中にドンと置きます。ピピッと音がしたので先へ進むと、改札機のディスプレイは初乗り運賃の130円が減算されたことを表示していて、確かにサイフの中に入れたままでも利用できるようです。 新宿駅で改札を出るときにはさらに、サイフをコートのポケットに入れたまま裾をたぐりよせてボヨンと乗せてみましたが、これでも難なく読み書きが行われました。サイフの中にはICテレフォンカードも入っていて、JRによるとこの場合は保証外のようですが、Suicaが下になるように触れれば実際は問題ない模様。いやーこれは確かに便利ですな。サイフの中には免許やら貯金やらユニクロやらガストやらいろいろなカードが入っていますがこれなら探す手間もなくサイフごとベタンとつけるだけです。システムの実現に一体いくらかかっているのでしょうね。私鉄じゃ絶対できそうにないな。 新宿で京王線に乗り換えてやってきたのは調布市の電気通信大学の学祭です。公開ゼミナールの講師にひろゆきを呼ぶというなかなか粋な試みがあるそうなので。門を抜けて入っていくと講堂の前にすごく長い列ができていました。掲示板でもほとんど話題になっていなかったのにこんなに並ぶなんてそんなバカな、と思いましたが、これは今日別に行われる鳥肌実の演説会に並ぶ列でした。 公開ゼミナールの会場となるホールには200席ほどのイスが並べられていて、8割くらいが埋まったようでした。ほとんどは電通大生のようですが、それでもなかなかの人の入りです。時間通りにひろゆきが現れるはずはないと思っていましたが、やはり15分ほど遅れました。実行委員が前もって集めておいた質問項目をひろゆきに振りながら、会場からも随時質問や突っ込みを受け付けるという形式で会は進みます。会場に来ている学生も1〜2年生が中心なのか、全体として見るとライト2chユーザーが多いように思えました。もちろん中には「あめぞう掲示板」時代のことを質問する人もいて、客層は様々です。 2chを設立するに至った経緯とか、ひろゆきは自分の住所や電話番号を公開しているが大丈夫なのかとか、大丈夫や8月末の閉鎖騒動はどういうことだったのかとか、投稿者のIPアドレスは記録されているのかとか、これまでの2chイベントやマスコミの取材等で既に明らかになっていることがほとんどでした。何度もいろいろなところで聞かれていることだからか、いつにもましてひろゆきの答え方も流暢です。西鉄バスジャック事件のあった1年半前と比べ、発言の内容が変わっているわけではないのですが、表現の細かい点にスキがなくなっています。 2chの話題は自分の中でもう一周してしまっているのでいいかげん飽きがきていたのですが、今後インターネットコミュニティはどのように変化していくのかという質問に対しての回答にはなるほどと思わされます。「携帯電話のようにツールのひとつになるだけで、インターネットのコミュニティだから何、ということはなくなるんじゃないですか。携帯電話でコミュニケーションとっている人たちのことを携帯電話のコミュニティとは言わないじゃないですか。携帯電話を使っている高校生がいたら、それは高校生のコミュニティであって。昔はインターネットを使ってコミュニケーションする人が少なかったので、特殊なグループと見られがちで、インターネットのコミュニティとは何ぞやと言われたんですけど、今後は単なる手段のひとつと割り切られるんじゃないでしょうか」 あざやかですな。このような意見は取り立ててどうこう言うようなものではなく、常識的に考えれば当たり前の見方なのかもしれないですけど、社会学系や人文学系のインターネット研究を、これだけ冷静な視点から行えている人がどれだけいるのでしょうか。まぁそんな具合で新たな発見は少ないものの、2chのような空間に対しての考え方を一度整理するには有用な講座だったと思います。くわしくはこちらを参照。 |