2001/11/24 Sat 快晴 寒 「うまい棒3000本」
今日は事務所の大掃除です。私は機械が積まれたラック付近を担当しましたが、配線の特殊なビジネスホンの線がまとわりついて大混乱です。電話とか電源とかネットワークとか数々の線を全部外してまた付け直す作業は、配線フェチである私にはやりがいのある作業でしたがさすがに当分やりたくないです。 夕方新宿方面へ出て、そのまま歌舞伎町ロフトプラスワンへ。本日のイベントはうまい棒のファンサイト「うまい棒同盟」の方による「みんなで食べよう、うまい棒2002」(うまい棒オフィシャルサイトのレポートはこちら)です。テロの影響のせいか、リベラルなプラスワンではカタい題目ばかりが最近目立つようになってきて、一方でテロの影響のせいか、リベラルなプラスワンではエロい題目ばかりが最近目立つようになってきて、今日のように純朴なイベントは貴重です。
時間になり、うまい棒同盟主宰の川本氏が登場。「あのー、こんなところにいますけど、僕ただの一般人なんで……ふだんは会社員としてちゃんと仕事してます。ほんと素人でいっぱいいっぱいなんですけど……よろしくお願いしますー」という腰の低い健康的な25歳男性。それに続いて壇上に現れたのがなぜか桃井はるこ。なぜ。私は一度も見たことがないのですがプラスワンで何度もイベント開いている人だし、うまい棒イベント面白そうだからということで、今日の暫定司会役を務められるようです。 司会というよりは自分のノリで乗り出して進行してしまってそこはちょっと口出し過ぎじゃないかという局面が何度となピシューッピシューッ痛テテテテ、いま私のほうに矢が飛んできて首に命中して苦しんでおります。というわけで会場最前列には自慢のカメラを携えた「いかにも」な方も鎮座し、様々な客層が入り乱れてのイベントであります。今日は一見さんも多い場内を見回してみると、ヘタしたら女性客のほうが多いくらいで、全体ではそこまでディープな客層ではなかった、むしろその逆だったのですがね。あとなんか今日ひろゆきが来るかもしれないということで、まぁ例によって欠席か良くて遅刻だろうと思っていたらやっぱり欠席でした。 最初のコーナーは川本氏のうまい棒グッズ自慢です。うまい棒グッズがあること自体を私は知りませんでしたが。うまい棒クッション・うまい棒抱き枕・うまい棒お守り・うまい棒千社札など次々出てきまして、それぞれに「えーとこのクッションにはメンタイとチーズとピザと……」などとバージョン違いやディティールを立て板に大洪水な口調で解説。先ほどまでうつむき気味だった壇上の「ふだんは会社員」は、見る間にその表情を恍惚としたものに変えていきます。 客席から「私はこんなものしか持っていないのですが……」と様々なうまい棒のアルミ包装を取り出す方が現れるとステージに招き、川本氏「いやーこれはいいものをお持ちですねぇ。あー○○味、これは去年の春ごろに終売してますね」などとウンチクを披露。うまい棒の中でも特にポピュラーなメンタイ味を見つけると「これはよく見るメンタイ味ですけど、いま売ってるのは違うんですよ。」といってステージにあるうまい棒の山から現在発売中のめんたい味を1本取り出し、会場のスクリーンに映すと「『めんたい味』とひらがなになってるんです」「おおー」客席からどよめきが上がります。「そして裏を見ると」裏面の原材料表示を見せ「ここ、『原材料:コーン(遺伝子組み換えでない)』」ギャハハハハ、ツッコミどころが素晴らしすぎます! やっぱりどんなことでもその道をきわめようとする人は面白く、そしてその姿は美しいものです。半可通のひけらかしは見苦しいですが(自戒自戒)、本気な人の本気な熱さを目の当たりにすると、こちらまで気持ちが高ぶってくるものです。もともとあまり菓子類を食さない私は、うまい棒というと遠足のときくらいしか購入することもなく、ハレの食べ物というイメージを抱いていました。だからあまりなじみのあるものではなく、今日のイベントもまぁネタとして楽しめればいいかなと思っていたのですが、いやいやとんでもない、深く感銘を受けましたよ。 |
さてグッズ紹介が終わると、次はうまい棒レシピの紹介。ホイップクリームをディップしてみたり、中空の部分にチーズを入れてみたり、くだいてクルトン代わりにサラダにかけたりするのは本当にうまそうでした。以前あった「なっとう味」を再現しようと、納豆といっしょに食べるというネタも披露されていましたが、まぁあくまでネタということで。 オフィシャルサイト制作者の方々によるトークや、そのサイトでなぜかほとんどうまい棒と関係ない曲を配信されている方のライブがあり、休憩をはさんで後半は株式会社やおきんの広報というかWeb周りを担当されている酒井氏が登場し、うまい棒にまつわる数々の秘話を紹介します。プラスワンに足を運ぶ客の多くが、この裏話を期待していることでしょう。何といっても気になるのは、包装に描かれている某えもんをパクッたとしか思えないキャラクターです。一体誰がどんな意図でデザインしたのか明らかに……なると思いきや、あの絵を描いている人は時期によって入れ替わっていて、しかも同時期に複数の方が描いているので、いまとなっては社内でも分からないそうです。 酒井氏「うまい棒の製造工程は機械化されてる部分が多いんですけど、それでも味付けのところでは調味料を人の手で機械に入れたり、最後の箱詰めはパートさんのおばちゃんがひとつひとつ手作業でやってるんです。ちょっとくさい表現かもしれませんが、やっぱり愛情が詰まってるというか、人の手のかかったものをお召し上がりいただきたいんですね」と、子供に夢を届ける職業の人らしいセリフも忘れません。あいにくここにいるのは子供ではなく大人の成り損ないですが。その他いろいろと実際の営業面での話も聞けましたが、プラスワンで得た情報をベラベラ口外するのはヤボというもの。 さらに特別コーナーとして利き酒ならぬ「利きうまい棒」大会に突入。味だけでそのうまい棒が何味かを当てるというもの。コーンポタージュ味とかチーズ味とかなら簡単ですが、川本氏が酒井氏に出したのは旧「メンタイ味」と新「めんたい味」を区別するという、まさに発売元でないと分からないような難問。しかしさすがは会社の名前がかかっているだけあって酒井氏見事に正解。新めんたい味には唐辛子の粉末が少々加えられていて、めんたい度がよりアップしているとか。 また、質問コーナーで「うまい棒の包装をヒザで開封するのは全国共通ではないのか」という発言があり、会場の半分くらいの人は何だそりゃと首を傾げていたのですが、発言者がステージに呼ばれその開封方法を実演することに。要は、うまい棒を手で握って、片方の端をヒザに向かって垂直にたたきつけると、反対側の端がアルミ包装を破ってポンと出てくるという具合ですな。うまい棒同盟のサイトでは「ニー開け」と呼ばれているこの開け方、ステージに上がった方の実演がとてもあざやかだったので満場の拍手。 最後に、オフィシャルサイトの投票で上位になった「西村博之専用うまい棒」の授与式が行われるはずだったのですがひろゆきが来ていないので紹介のみ。実際に「ひろゆき味」を開発するわけにもいかないのでパッケージデザインのみでしたがけっこうカッチョ良くできていて、また地紋に(゚д゚)ウマーが配されていたりと2cher好みの装飾もされていてなかなか好評でした。 来る前は、まぁうまい棒食しながらダラダラまったりしようじゃないか、というくらいかと思っていたのですが、3時間半のイベントはプログラムがぎっしり詰まっている感じで、片時も飽きさせない素晴らしいものでした。会場では偶然にもカカキッシ師匠に遭遇。ちょっとヒマがあってロフトプラスワンで何か面白いものやってないかなと思い予定を見たらうまい棒ということで、類は友を呼ぶものです(失礼)。 最初の写真のうまい棒の山は、途中の休憩時間だけでなくトーク中随時お客さんやプラスワンの店員やステージ上の方が取っていったのですが、閉会のときになってもまだ3分の1以上は残っていました。それもそのはず、このうまい棒のピラミッド、当初は2002本の予定だったのですが、やおきん酒井氏のご厚意(自腹)で3000本へと増量されていたのです。私は会場で10本ほど食し、帰りに20本ほど頂戴しましたが、ひとりで100本近く持っていく人もいたようです。そんな人がいても誰からも文句が出ないくらいたくさんの本数だったということで、会場はまさにみんなが子供のころ夢見たうまい棒天国。大人はずるいもんだ。 |