2001/02/13 Tue 〜 2001/02/14 Wed 「バイクは1日300kmまで」
今日は早朝に東京へ出発する予定が、昨夜遅くまで連れのうちで遊んでいたせいで、結局昼前の出発に。18切符が使えない期間は鉄道などという高級輸送機関に乗る資金もないので、バイクで下道を突っ走ります。昼間の国道1号は慢性渋滞で、夜中なら2時間少々で行ける沼津までの道のりに3時間はかかりました。沼津から先は、そのまま国道1号で箱根峠を越えるか、もしくは国道246号で御殿場方面へ進んで山を回避するというふたつのルートが考えられますが、まぁ昼間だから素直に箱根にアタックしてやろう、というわけで国1を直進。 三島市東部からは、いかにもこれからアタックという雰囲気の坂道になっていきます。自然とアクセルを握る手にも力が入り速度も超過気味。あるとき、何の気なしに、看板だか標識だかを見るためにアクセルをゆるめました。そしてまた加速しようと思ったそのとき、路肩にカメラのような装置とそれを操作する紺色の制服の人間を発見。やばっ、ネズミ取りだと気付いてメーターを見ると65km/h。50km/h制限の道なのでグレーゾーン。数100m先には「止まれ」の赤旗を持って路肩に控える警察官。彼が立ち上がって旗を突き出したら私の最期です。わきに汗をにじませながらスーと進んで行くと……よかった、おとがめなしです。
箱根峠を越えたら下りになって、どんどんどんどん東へ。ブイーン。国道1号はやや渋滞な調子で、次第に「やっとれるか!」という気分になってきたので横浜新道→第三京浜と有料道路を通行することに。うわっ、横浜新道ってこんなにエキサイティングな道路だったのか。知らんかった。半地下構造のような部分は両側が切り立ったコンクリートの壁で、その上を立体交差が飛び交い、横浜横須賀道路が、保土ヶ谷バイパスが、首都高神奈川線が、ピョコピョコ分岐し、案内標識にはどうやっても読み取り不可能なくらい莫大な情報量の行先指示が表示され。 そしていよいよやってきました第三京浜! はー、片側3車線は首都圏の有料道路では当たり前なのね。右へ左への大攻防。そして何ですかこの道は、単なるバイパス路ではないのですか、80km/h制限なのに一番左の車線でもみんな100km/hくらい出てますよ。真ん中の車線はプラス10〜15km/h、一番右の車線は……怖くて書けないくらいです。しかしせっかく来たのですから最高速レーンを体験しなくては。まずぬぬえkm/hくらいで入っていきましたが、ミラーに映る後ろのクルマがみるみるうちに大きくなっていくのであわてて加速してぬふえkm/hくらいに。それでもまだ後ろとの車間が開かないのでぬあえkm/h。でも全然前に追いつかないのでぬうえkm/hくらいで走ってみましたが、さすがに250ccの二輪がフラフラは行っていくような場所ではないと実感、おとなしく中央車線へ。 それにしても、普通の高速道路以上に過激なこんな道路を全線通行して200円(軽自動車。普通車は250円)なんて、田舎者の私には考えられないことですよ。例えば、通行量が同じ200円の磐田バイパス(静岡県)と比較してみましょう。まず、車線は片側1車線です。この時点でもうズッ転けます。何でわざわざ金払って狭い道路を通らなければならないのですか。そして、日中の平均速度は60km/h以下、前に茶っ葉やミカンを積んだ軽トラックでも割り込んでこようものならノロノロ運転であります。そして全線の距離ですが、第三京浜の約17kmに対して磐田バイパスは約6km。しかも磐田バイパスは途中に料金所がひとつあるだけなので、その料金所をはさむ実質有料区間はわずか1.5km。何故! 何故! これはもう行政サービスという名の商品の値段が30倍くらい違うということじゃないですか。嗚呼、何故! |
なぜってまぁ答えは明白で、利用者が多いか少ないかだけの差なのですね。公共財っていわば地域の財産だから、たくさんの人がその財産を共有する気になれば、それだけゴージャスなものができると。結局、人が集まれば集まるほど、そりゃ言うまでもなく弊害も山のように生まれてくるわけですが、基本的には暮らしやすくなるのではないか、と思うのですね。だから、みんなわざわざ高いお金を出してでも、首都圏という名の財産を共有したいと思うわけで。インターネットも、みんながみんなインターネットという財産を共有したくて、あっちこっちから集まってくるからどんどん価値が高まってきたのと同じですね。ってすいませんこじつけ。 終点の多摩川インターで環八と接続。出発してからほぼ6時間でここまで来ました。8〜9時間かかるかと思っていましたが、さすがにバイク上京も3回目となるとルート選択もエレガントになってきたのか著しい時間短縮が見られます。環八の渋滞もそれほどではなく悠々すり抜けて、今日は調布の連れのうちに泊。 翌朝は青梅街道を東へ攻めたり。都心の幹線道路を二輪で走行するのは、どことなくシューティングゲームに似ています。周囲のクルマの動きを総合的に読みとって車線変更、つまり弾をよけて、空いているところがあれば一気にアクセルを開いて加速、つまりビームを発射する。こじつけのようですけどそうではなくて、実際に混雑する道で上手にスイスイと前のほうへ進めたときに感じる気持ちよさは、シューティングゲームのときと非常に近いです。まぁ、失敗すれば死ぬ可能性もあるわけですが、私なんてまだまだ初心者でありまして、地元の人なんかは華麗なテクニックで次々と難しい面を攻略していきます。125ccのスクーターは身軽でいいなと思っていたら、900ccのスーパースポーツにも抜かれてしまいました。やはり上級プレイヤーはその腕で前へ進んでいくのか。 首都高中央環状線建設中の山手通りを攻めたり、住宅街の中の道に入っていったり、とにかくあちこち。今回帰りのルートは国道246号で厚木まで行き、そこから東名高速に乗って御殿場までショートカットする予定でした。しかし、厚木まできたところで見た電光掲示板には「大井松田-御殿場 工事渋滞4km」と出ています。高い金を払って渋滞に突っ込んでいくのもバカらしくなり、国道1号に戻って、行きと同じ箱根越えをすることに。 平塚から西湘バイパスをぶっ飛ばして小田原へ。そして箱根新道へ。時間を見るのをすっかり忘れていて、上り坂にさしかかったころには日が暮れてしまいました。いまさら引き返すこともできないのでそのまま進みますが、霧も出るわ路面は凍り始めているわ何よりとにかく寒いわで悲惨でした。軽く雪も降ったようで、路肩に積もっている雪の量も昨日より多いような気がします。教訓: 冬の夜の箱根でバイクはやめよう 三島側まで降りてきて、沼津まで来れば後は慣れた道なのでガンガン走れます。沼津から静岡なんてそれこそ一瞬です。しかし寒いことには変わりないので、静岡の連れのうちへ乗り込んでしばらく休憩。夜10:00になり、藤枝・掛川・磐田バイパスが無料開放時間になったので出発。交通量が多く、また、途中いろいろなところで工事をしていたので、浜松到着までにはいつもよりもかなり時間がかかりました。2日で600km走って、さすがに疲れてすぐに就寝。 |