PC-9821Cs2パワーアップ計画 ハードウェア編


1.メモリの増設

大きいことはいいことだということで、メモリも多ければ多いほど良いのは当たり前です。Cs2のメモリは6M(5.6Mともいう)ですので、Windows95はおろかWindows3.1でもギリギリ動作する程度のレベルです。というわけで、メモリ増設はCs2にとって必須です。Windows3.1ならこれだけでもかなり快適になります。

取扱説明書等には、増設メモリは32Mまでしか刺さらないようなことが書いてあります。これでも本体と合わせて38Mですからそこそこですが、Netで情報を集めてみると、実際には64Mまで刺せるようです。どうせ今回しかメモリ増設などしないでしょうから、ケチケチせずにバコーンと最大容量まで増設してしまいましょう。

Cs2は、前もって増設用サブボードを取り付けないと増設用のSIMMが刺せません。注意することは、NEC純正のサブボードは32Mまでしか増設メモリを認識しないそうなので、サードパーティのサブボードを選ぶ必要があります。といっても、メルコ「ESE」というサブボードしかもう売っていなかったので必然的にこれを選びます。3500円くらいです。

サブボードと刺したSIMM次に、増設するSIMMですが、Cs2ではパリティビット有りのSIMMでないと動きません。パリティビットジェネレータとかでごまかすやつはダメっぽいです。パリティ有りの72ピンSIMMも、やや取り扱い店舗が少なくなってきました。手に入れるなら今のうちです。これもメルコの「EMW」くらいしかなかったので、これの64Mを購入します。32MのSIMMが2枚入っているやつです。

で、これらを取り付けて電源オン。本体と合わせて70メガバイトものメモリがあると、さすがに起動時のメモリカウントに時間がかかります。これはこれで、大容量メモリの優越感が味わえてよいです。一部の特殊なDOS常駐ソフト(TSRとか言うようですが)と相性が悪く、時々パリティエラーを出してハングアップすることもありましたが、Windows環境では全く問題なく動作しています。これでメモリだけは人並みになりざまあみろです。

2.ハードディスクの増設

Cs2には「model S2」「model S3」の2モデルがあり、違いは内蔵ハードディスクの容量だけです。S2は170M、S3は340Mで、私は上位機種のS3を選びブルジョア気分だったのですが、今となっては170メガバイトの差など微々たるもの。DOSなら十分ですが、どちらのモデルにしろWindowsとなると容量不足は時間の問題です。というわけでハードディスクを増設します。

お店に行くと、増設用内蔵ハードディスクが大変安価に販売されています。10Gが2万円以下とかで大変魅力的なのですが、Cs2の内部IDEインタフェースは540Mまでしか使えない旧式なので、これらの内蔵用ディスクは諦めます。(BIOSにパッチを当てたりすればやってやれないことはないのですが、それなりのトラブルも発生するようで、今回は無難に行きます。)

内蔵がムリだとなると、外付けSCSI接続となります。容量は1Gくらいでも十分だと思うのですが、今時1Gのハードディスクなんて売っていません。最低でも4Gくらいです。デカイなあと思いながら探していたところ、Logitecの2Gが中古で売っていたのでこれを購入します。9800円でした。昔の感覚で考えると激安です。次に、SCSIインタフェースボードですが、I・O DATA「SC-98IIIPSB」の中古が1980円で売っていたのでこれを使います。これは、同社の別の拡張ボードの上に重ねて取り付けるもので、拡張スロットをひとつ節約することができます。

問題は、ボードのディップスイッチの設定でした。Cs2はプラグアンドプレイ(PnP)に対応していないので、PnPをオフにしなければならないのですが、ボードの説明書が見にくくて、ずっと間違ったスイッチ設定のままで試みていました。ボードが検出されない、ボードのBIOSの設定画面が表示されない等で困ったら、ディップスイッチの設定を変えてみるとうまくいくかもしれません。その他は初期設定のままで問題ありませんでした。

2Gのハードディスクは、Cs2付属のMS-DOS5.0A-Hではフォーマットできないので注意が必要です。ムリにやってしまうと、ハードディスクを修理に出さない限り使えなくなってしまうこともあります。実際、このミスで私は高校時代に物理部のハードディスクをダメにしたことがあります。新品を買ったばかりだったので、無償で修理はしてくれましたが。フォーマットはMS-DOS6.2か、Windows95で行います。

3.グラフィックアクセラレータボードの取り付け

Cs2内蔵のグラフィックアクセラレータであるCirrus Logic社の「GD5428」は、動作が遅いだけでなくVRAMを1Mしか持っていないので、1024x768の表示では256色までしか出せません。256色だと、随所で色化けが見られたりします。Windows3.1ならまだしも、Windows95を狙いたい今回はこれでは不十分です。

かつて98でグラフィックといえばカノープス社が有力でしたが、もうほとんど製品が見つからないし、もし見つかってもそれなりの性能を有するものはかなり高価です。それ以外で最も強力なのはI・O DATAの「GA-DRV4/98」と言われています。幸い、これの中古が15000円ほどで見つかったので、購入します。

これでVRAMは4Mになります。ボードとしては1280x1024や1600x1200といった高解像度にも対応しているのですが、Cs2付属のディスプレイでは1024x768までしか表示できません。まぁ余裕があるのはいいことですし、将来17インチディスプレイでも購入したあかつきには1280x1024を楽しむことにしましょう。もっとも、それまでこのマシンを使っているかどうかという問題がありますが。

ボードの二枚重ねちなみに、このボードの上に先程のSCSIインタフェースボードがくっついて、拡張スロットひとつの中に刺さっています。本来ならふたつスロットを消費するところですが、運良くこのふたつのボードが同時に手に入ったので、スロットをひとつ節約することができました。

4.LANボードの取り付け

今回の大きな目標は、Windows95を導入し、ノートパソコンとLANを組むことです。そのためLANボードを購入します。各社出していますが、一番安いcorega「Ether98-T」を購入しました。6980円。本格的にイントラネットを組んだりするときにはやや問題があるそうですが、私はただノートとつなぎたいだけなので何でもいいです。本格的な場合でも安心して使いたいならばやはりアライドテレシスの製品を選ぶべきでしょうか。

このcoregaのボードですが、動作モードがふたつあり、プラグアンドプレイ(PnP)で動かすときは「AUTO」にスイッチを合わせます。面白いのはPnPオフのモードで、そのときは「LEGACY」にスイッチを合わせます。legacyって遺産ですか。つまり、既に遺産と呼ぶに相応しいコンピュータで使うときにこのモードにしなさいということですか。もちろん私のCs2は遺産であります。

ちなみに、初期設定のままだとINT0(IRQ3)でSCSIと割り込み要求がぶつかってしまうので、付属の設定ソフトでINT1(IRQ5)に変更しました。その他には特にいじるところはありません。


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