業務日誌

2004/03/27 Sat 「落ちつきました」

3月19日に笹塚から新井薬師へ引っ越しました。この春に妹が上京して同居することになったのですが、笹塚周辺だと2部屋の物件が高くて手が出せません。そのため、下宿相場の穴場的存在である西武新宿線沿いを選んだというわけです。もともと2001年春に私が東京へやってきたときも、最初は野方とか沼袋とかそのあたりに住むつもりでした。どこまで新宿寄りに行けるだろうと思ったら高田馬場にも安い部屋はあったので、どうせなら「新宿区」がいいねぇということで結局そのときは馬場にしてしまったわけですが。

新井薬師前駅周辺は街が地味目なので、西武新宿駅まで10分というロケーションなのに家賃は本当に安いです。鉄筋コンクリートのしっかりしたマンションが家賃・管理費計95000円とは。中野駅までも歩いて15分なのでブロードウェイも十分射程距離に入り、オタク・サブカル崩れの者としては何だかすっかり落ちついてしまったという感じですな。

そんなわけで「会社or睡眠」な生活を引き続きおくっておりますが、今週は会社・睡眠に加えて「ドリフ」が入っております。言うまでもなく24日のテレビ朝日『ザ・ドリフターズ結成40周年記念 ドリフと光子の爆笑!スペシャル』と27日のTBS『追悼緊急特別企画 長さんだョ!全員集合』でありまして、もちろんキッチリ編集してじっくりエンコードしてDVDに保存するわけです。

それにしても昨今の、タレントが遊んでるのを見て一緒に遊んだような気になるだけの安価な空気が充満している企画先行バラエティ番組とは違って、本当に出演者がエンターテイナーに徹している姿勢には感嘆するばかり。ほんといつから日本の芸人って遊んで金がもらえるようになったんでしょうね。

↑というような安価な感想が充満している昨今に非常に違和感を感じる1週間でした。なんだいなんだい、あれほど「子供に見せたくない番組No.1」として迫害されたとか、往年の喜劇と比べて深みのない低俗な笑いと評されたとか、被害者だった"ドリフ世代"がここへ来て復讐ですか。それであれでしょう、あと20年くらいすると誰か死ぬタイミングとかでまたきっと「90年代のバラエティは実はすごかった」のような話がどうせ出てくるのでしょう。繰り返すだけの歴史でイヤだイヤだ。

かつて大人たちから虐げられていたエンターテインメントがようやくここへ来て「世代を超えた笑い」とか言われるようになり、当時ドリフを白眼視していた人たち・いわゆるドリフ世代・ドリフ世代の子供たち、の3代がそろって笑い転げることができる時代がせっかくやってきたというのに、いまのバラエティと比較することでドリフを神格化するなんて、野暮というか無粋というか。

全員集合だってなぜ終わったかと言えばそりゃいろいろな理由があるでしょうが、視聴率低下という現実は確実にあったわけで、視聴者の嗜好は時代とともにドリフ以外のところへシフトしているはずです。今月から来月にかけての一連の特番はかなりの視聴率を稼ぐと思いますが、そりゃあくまで追悼だからとか久しぶりに見るからとかいう上乗せ理由込みの数字であって、いま仮に全員集合を毎週放送したとしても「お化け番組」にはなり得ないでしょう。

第一、毎週数千万の制作費をかけて喜劇のステージを中継放送するというビジネス自体、いまのテレビバラエティのシステムとは相容れないわけで、違う土俵にあるものを比べても詮ないことです。いかりや長介の仕事に対する志の高さとか謙虚さとか、そういうことを後世に伝えていくのには大賛成ですが、それが結局「昔は良かった」に落ちついてしまっていては、彼らの並はずれた魅力には迫れないと思うのです。

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