2000/08/18 Fri 〜 2000/08/25 Fri 「旅行中」
親のカネで欧州豪遊とは今の学生ってのはいい身分だねったく、なんて声が聞こえてきそうな気がして恐縮であります。でも私のメインは観光ではなくて祖母専属添乗員です。旅行は中高年向け商品の、ドイツからスイスへバスで走る観光地めぐりで、旅行社の添乗員付きのパッケージツアーですが、祖母は通貨とかあまり分かっていないので全部日本円に直して教えたり、ちょっとした買い物の会話などを代行したり、とにかくひとりで行動する自信がないので常にくっついていてという。 海外旅行ということで朝から家じゅう大騒動なのですが、フリータイム等にも専属添乗業務のため自由に行動できないことが分かっている私は出発前からダウナーモード。つべこべ言わず、はい、出発。 名古屋から成田へ。成田からパリへ。成田パリ間のJAL便は、前の座席の背に液晶画面がついている最新型で、12チャンネルの映画放送の中から自分で選んで鑑賞したり、機外カメラが映す映像を見たり、パズルゲームで遊んだり、かなり豪華な装備でした。個人用画面なんて、ちょっと前まではビジネスクラス以上にしかないラグジュアリーなサービスですよ。これがエコノミーでも楽しめるなんてなかなか「いいかんじぃー」な飛行機でした。コントローラーを横長に持つと、スーパーファミコンのパッドとコンパチで手になじみます。使いませんが、LRキーもちゃんと付いています。ちゃんとした十字キーだったけど、任天堂にパテント代払っているんですかね。ちなみに写真の画面はソリティアです。高度12000m、時速1000kmの空間に来てまでソリティアやるとは思わんかったです。あとこのコントローラ、裏側はテンキーと受話器、側面はカードリーダーになっていまして、クレジットカードを通すと座席にいながらにして国際電話をかけることができます。確か1分で9ドル50セントだったか。 しかし、何より私が感動したのはスチュワーデスおっと放送禁止語、もとい、客室乗務員のねーちゃんがめっちゃきれーいな人だったということ。いや、ルックス的には、まあ言葉は悪いですが「並」の人々だったのですが、超ロングフライトにも関わらず最後まで客に見せる笑顔の美しいこと美しいこと。疲れた顔など少しも見せず、何というか、これこそ世界最高の接客ではないかと感じましたね。 これが2時間とかのフライトだったら何とも思わないのですが、成田パリ間は11時間ですよ。搭乗等前後の時間も含めると仕事の時間は連続何時間に及ぶのか見当も付きませんが、それでこの笑顔クオリティを維持するなんて、サービス業とは何たるかを思い知らされたましたね。続いて乗り継いだパリからフランクフルトまでのエールフランス機のサービスは対照的に雑で、日本の航空会社は高いけれどやっぱりそれだけのサービスがあるということですね。エコノミーとはいえ私のようなローソ(⇔ハイソ)な者が利用するにはもったいない。この感動を店のカウンター業務に生かしたいものです。 パリのシャルル・ドゴール空港は、外壁から無意味に鉄筋やテントが張り出していたりして、バブリーな装飾でいかにもポストモダン(意味分かってません)。成田なんかとにかく機能性以外全て排除し切ったモダンの固まりですから。空港でフランスのゲーム雑誌を買おうとするもフランは持ってきていないので両替窓口へ。「アイ ウォントゥー チェインジ ディス トゥ フラーン」と言ってジャパニーズイェーンソウセキナツメを1枚見せると、窓口の人は「シックスティー サーティ」とだけ言って即座にフランをくれました。日本では用紙に名前や連絡先を書いたりして面倒だったのですが、こっちはいい加減ですね。フランス語なので全然読めませんが、そこは何とかして紙から発せられる電波を受信して解読。しているうちに時間になってフランクフルトへ。 フランクフルトに到着して、そこからツアーがチャーターしたバスでホテルへ。祖母・妹・私の3人の旅行なので、祖母と妹は2人部屋、私は1人です。時差のため今日は1日が31時間になっていて猛烈に疲れているのですが、夜遅くホテルに着いたとしてもすぐ寝るなんてもったいない。メディア産業論ゼミ生として、現地の放送・通信法制の調査を開始します。というわけでテレビのリモコンをプチプチと押して研究題材になりそうな番組を探します。しばらくして、いい番組が見つかりました。「RTL II」というチャンネルですので、これからドイツ方面に出かけられる方は覚えておくとよいかと思われます。さて、調査の結果は「露骨でなければ消し無しでも全然オッケー」という結論に達しました。今後1週間この「RTL II」の世話になることに。いや、昼間はポケモンとかやってるチャンネルみたいですけどね。 そして。 8月19日〜24日。 名勝旧跡とか……。 見てもねぇ……。 |
っていうか、食事の味付けが濃いとか生野菜がないとか石畳は歩きにくいとか公衆トイレ入るのに何で金がいるんだとかレストランでタバコ吸えないとか、うるせえんだよ! テメーら文句は日本帰ってから言え! 外国にいる間はその国の文化や慣習を受容しろよ! イヤなら海外旅行するな! Uzeeeeeee!! いやまぁいろいろ考え方はあると思いますけどね。ただ私はそう思ったというだけで……。ま、そういう私も観光客に向かって文句言ったところで詮ないことなので、日本人観光客らしく写真をピチピチ撮ってきましたよ。 ドイツで唯一本気で感動したのがこの標識。一番上の青い標識にあるマーク、これ見た瞬間マジで一気に涙腺ゆるんで、もう少しで涙が頬を伝うところでした。このマーク、ヨーロッパでは高速道路を表す標識です。言うまでもなくドイツではアウトバーン。アウトバーンといえば、テクノポップの超大御所クラフトワークの大出世作のタイトル。アルバムのジャケ等で何度も目にしていたアウトバーンのマークを、実際この目で見た途端、もう頭の中では「アウ トー バーン アウ トー バーン」とノンストップで(といっても15分くらいある曲なのでストップしようにもなかなかできないのですが)流れていましたよ。周りの景色は虹色に見えました。かなり大脳の中でヤク出てたねこりゃ。もちろん、ツアーバスの中でこんなのに感動してるのなんて私だけでしたけどね。ツアー行程では、ハイデルベルグの古城とか、アルプスの山々とか、いろいろ観光しましたが、そんなの実物見たって「パンフの写真のほうがきれいじゃん」としか思いませんでしたもん。この1枚の標識ほど、私の網膜にリアリティとして焼き付いたものはありませんでしたよ。あー、久々に泣いた。 それにしても、せっかくテクノの本場ドイツに行ったのに何も音楽を購入できなかったのは非常に残念です。大きなCDショップがあるような街には行かなかったので。行ったとしても、CDショップに向かう時間などなかったでしょうし。ドイツといえばビールとクルマとテクノの国というイメージなのに。あ、クルマはオペルとVWが多くて、あとはメルセデスやBMWやアウディやその他いろいろ。日本車はそれほど見かけません。
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というわけで、大自然の中の観光旅行7泊8日、これくらいしか面白い写真は撮れませんでした。山とか湖とか古城とか街並みとか、一切撮っていませんので。そういうのが見たい方はるるぶを見ると一番いい写真が載っています。最後に、空港や現地のスーパー等(予想通りこれらが一番面白い場所だった)で購入した雑誌等のリストです。見たいものがあればメールなりBBSなりに書いていただければ、お貸ししますっていうか定価割れ程度で売ってしまってもいいのですけれどね。
(1F≒\15, 1DM≒\55, 1NLG≒\50) |