- 昨日、天気予報を見たら晴れとなっていたので久しぶりにCBR250RRを走らせることに決めました。行き先はひたすら北です。地名でいうと静岡県磐田郡水窪町となります。今日は浜松市元浜町子供会の廃品回収なので、古新聞を出してから出かけます。
- 私の住んでいるところから500mほど西に、浜松の真ん中を南北に走る国道152号線という道路があります。この道路をずっと北へ行ったらどんなところでしょうかというのが今回のコンセプト(死語)であります。国道152号を地図で見ると、浜松からずっと北へ延びていて、そのまま長野県に入り、中央自動車道から見て山一つ分東側の谷を北上、諏訪から蓼科を抜けて長野県上田市まで続いています。とてもそんなところまで日帰りで行く気はしないので、静岡県と長野県の県境まで行ってみることにします。そこが水窪町です。
- ずっと北へ進み、天竜川沿いの山あいの道になってくると、何だか少し寒くなってきました。まだ夏の気分で、半袖一枚の上に薄いジャンパーをはおってきただけなのを少し後悔します。だんだん車もまばらになっていき、心も寒くなってきます。しかしのんびりと走っていると、地元の軽トラックが猛烈な速度で追い上げてきました。あまりに詰めが強烈なので道を譲ると、ハザードをたいてこちらに謝意を表明し、ぶっ飛ばしていきました。ちょっと追いかけてみようと思いましたが無理です。その車は、やっとすれ違いができるかというくらい細くて見通しのきかないカーブが続く制限40km/hの道路を、80km/hでばく進していきます。カーブでは外側を大きく沈ませ、点灯するブレーキランプはドリフトさえ予感させます。すぐに見えない距離になりましたが。
- そんなこんなで国道152号線を浜松から2時間弱、水窪町に入ります。このまま進んで県境を目指します。しばらく行くと、緑色をバックに文字が書いてある道路標識が見えました。普通なら高速道路等のインターチェンジを示す標識のはずですが、こんな山の中に高速などあるはずがありません。しかしそこには「三遠南信道」と書かれていました。
- 確かに、三遠南信自動車道という名前を聞いたことはあります。しかし、開通した区間はまだないはずです。っていうか着工さえほとんどしていないと思うんですけど。確かめるために進んでいくと、「この先三遠南信道は自動車専用のため125cc以下の……」という原付等迂回指示があり、確かにこの先に何らかの自動車専用道路があるようです。と思ったら、これまで曲がりくねっていた道が突然太くなりました。
- 道が太くなったところに自動車専用道路の標識と看板があります。「料金所(予定地) 当分の間通行は無料とします」予定地という看板があるだけで、料金所はまだ影も形もありません。しかし路肩にはキロポスト表示があり、確かにこの道が自動車道であることを表しています。すぐにトンネルになり、1kmほど走ってトンネルを抜けると、自動車専用道路終わりの標識がありました。道はこれまでにもまして狭くなります。早い話が、三遠南信道とはこのトンネルだけということのようです。わずか2kmの先行開通ですか。
- 急激に狭くなった道路は、狭いばかりか、上り坂になってきました。ますます寒くなってきました。アゴをガチガチふるわせながらさらに奥へ進んでいきます。もうここは国道152線ではありません。実は、国道152号は全線開通していなくて(開通する予定があるのか知りませんが)、2ヶ所ほど国道の指定が解除されているのです。道の規模としてはほとんど林道なので国道にできないのか、それともこんなところまで国は管理しきれないということなのでしょうか。
- さて、ついに長野県との県境に到着です。県境には「国境」という木の立て札がありました。ああ、思い出しましたよ。水窪町と長野県南信濃村は、確か年にいっぺんだかここでつな引き大会をして、それで引っぱった分だけ境が移動するのでした。村おこしか何かの一環ということで、テレビで見たことがあるのですが、こんなへんぴな所でやっていたとは。「国境」の先には南信濃村のボロボロの案内看板があり、秘境を感じさせます。
- ここから先に進むと帰りもつらくなるので方向転換することにします。しかしバイクのエンジンがすぐに止まってしまいます。寒さのためか調子が出ないようです。アイドリングを高めに調整して再スタートです。私も寒いので早く暖かい所へ戻りましょう。
- 国道152号からしばらく東へ入ったところにある水窪ダムで休憩します。比較的大きなダムなので、陽をさえぎるものもなく暖かです。昼食は、昨日ヤマハライフサービス本社店で購入した弁当です。ここは砂と石を積み上げて作ったタイプのロックフィルダムなので、「立入禁止」の看板はあるものの、ダム湖面まで下りて行けます。釣りをしている人がけっこういました。なかなかのんきな昼の一風景です。
- 長居をしていると日が下がってますます寒くなってしまいかねないので、とっとと帰ることにします。帰り道の途中、工事で片側交互通行の部分があったのですが、交通整理のおばちゃんが休憩中の作業員の兄ちゃんたちと談笑していました。そのまま進んで大丈夫なのかと思って発進すると、対向車がやってきてあわてて急ブレーキ。それをみて兄ちゃんたち「あーあー、おばちゃん(交通整理を)やらんと」おばちゃん「あっ、ごめんごめん」やっと紅白の手旗を取り出して車を先に通しましたが、今ごろ遅いです。それくらい車が通らないということでしょうな。見たところ、おばちゃんは近所の農家の人で、アルバイトでやっているようでした。
- バイクは疲れます。CBRは長距離を走るためのバイクではないので、特に姿勢が疲れます。帰ってくるとすぐに寝てしまいます。2時間ほど寝て、夕飯は昨日と同様にブリの照り焼きです。
|