Home

1999/12/18 Sat 曇 寒 「田舎者の観光」


  • 田舎の喧噪に疲れると、私は都会へ出かけます。何だか単語の順番が違うような気もしますが、私の場合これで正しいのです。というわけで、昨日は就寝したのが2:30くらいだったのですが、ちゃんと6:00過ぎには起床して、浜松6:55発の列車に乗って東を目指します。途中熱海で快速に乗り換えて、東京着は11:11となります。

  • まずはセオリー通りに秋葉原へ出向きます。秋葉原へ来るのはまだ4回目くらいですが、なぜかここは私にとってあまりワクワクしない街です。特に今日は求めるものが何もないため、なおさら面白くありません。財政に余裕があれば中古商品の店を見て回ったりもできるのですが、この緊縮財政の中で何か欲しいものを見つけてしまうと大変なので、ジャンク探しにも消極的です。結局、東京地区の携帯電話会社のパンフレットを収集したくらいでした。それにしても面白いのは、未だにPHSやベルが店先で派手にディスプレイされているのは首都圏くらいのものではないでしょうか。

  • 秋葉原駅前の立ち喰いで安価に昼食をすませ、次は新宿へ行きます。新宿は実は一番ワクワクする街かもしれません。土曜の都庁周辺はどんな感じだろうと思って歩いて行ってみたら、想像していた以上に人けがなくて怖いくらいでした。駅の近くはいつものようなごった返しでしたが、都庁前は人が全くいない中で自動車だけが猛スピードで走っていくので不気味な感じでした。まぁ、休みの日の都庁になんて誰も用はないでしょうから当たり前なのですが。

  • 用があるのは都庁ではなくて、東京オペラシティタワー内にある「NTTインターコミュニケーションセンター」(通称ICC)です。「コミュニケーション」というテーマを軸に、科学技術と芸術文化の対話を促進し、豊かな未来社会を構想していくことを目指していく、というのがコンセプトらしいですが、平たく言えばメディアアートの美術館です。私はICCの会員なのですが、一度も来たことはなかったのです。で、中身はどうだったかというと、まぁ一度見に来るなら面白いかもしれないけど、企画展がなくて常設展だけのときに来てもちょっと内容が少ないかなと。まぁ会員は何度来てもタダだからいいのですが、常設展だけに一般800円学生600円を払うのは高いかという。まぁ維持費とか金かかってそうなのは分かるのですが、一方ではNTTの税金対策事業みたいなものなので、もうちょっと常設展のボリュームがあってもいいんじゃないの。

  • とはいいながらも、ICCの活動記録のビデオを閲覧したりして結構長居をしたので、出てくるともう日が暮れています。また駅までステステと歩いて、次は渋谷へ行きます。私のバイト先のTSUTAYA高林店と奇しくも同日の昨日オープンした「SHIBUYA TSUTAYA」へ行きます。TSUTAYA○○店ではなくSHIBUYA TSUTAYAというところが格の違いを感じさせます。イメージカラーを配した従業員の制服も、従来の青い地に黄のロゴとは異なり、黒地にオレンジのロゴとなっています。応対マニュアルも少々異なるようで、「ありがとうございました」の後に続けるのは「またご利用下さいませ」のはずなのに、ここでは「またお待ちしております」となっています。ちなみに、今日はこの後で恵比寿ガーデンプレイス店もちょっと視察したのですが、ここは従来通りの「またご利用下さいませ」でした。

  • まぁそんな細かいところはどうでもよくて、店内を一通り見て回りますが、あたりまえですがレンタル商品量が格段に違いますな。うちの店の4倍くらいあるんじゃないですか。地上8階地下2階のビルの中で、ツタヤの商品を扱うフロアが計6フロア、そのうちレンタル商品を取り扱うフロアが3フロアあります。セル商品は各階ともあります。地下の一番下のフロアには、にわかに話題になり始めたMDへの楽曲ダウンロード販売のマシンも数台あります。誰も実際に購入するまでは至っていませんでしたけどね。

  • そんなわけで後は実際の接客をチェックしてみようと、特設の入会カウンターへ。店の外で特別入会受付をするというのはここでも同じようです。身分証を提示して必要事項を用紙に記入し、説明を受けます。説明内容もほとんど同じです。そして会員証を渡されますが、おーっと、何と会員証がICカードですよ。思わず「あっICカードだ」と言ってしまったところ、「はい、ICチップが入っておりまして、ご利用毎にカードにポイントがたまります」とのことです。すごいですねぇー。会員証の番号を見ると、うちの店に比べて15倍くらいすでに会員がいるようですな。そんなこと比べても意味ないのですが。最後に、入会の特典としてツタヤオリジナル携帯ストラップか、映画の検索ができるCD-ROM「シネマハンドブック2000 DIGITAL」のどちらかがもらえます。もちろん(?)後者を選びます。特典の商品もなかなか面白いですな。

  • タワーレコード渋谷店をちょっとだけ見て(これは浜松店の数倍商品がありますな)、そろそろ夕飯を喰おうと思ったところへ松屋があったので400円のリッチな夕食です。今日は細野春臣が主宰するレーベル「デイジーワールド」のライブが表参道であり、連れと一緒に鑑賞する予定だったので地下鉄に乗って表参道まで行って連れに電話をしますが、なぜか連絡がつきません。メールで送ってみたりもしたのですがどうもダメで、結局1時間半くらいウロウロしていたのですが全く連絡がつかないのでやむなく帰ることにします。

  • 帰りは夜行快速ムーンライトながらですが、指定席券がないので小田原からデッキ座りで乗るしかないなと思いながらも、ひょっとしたらの可能性にかけてキャンセルがないか、何となく品川で下車しみどりの窓口で尋ねてみます。実はこれで今日3回目のキャンセルチェックです。「ムーンライトながらのキャンセルないか見てもらえませんか」「今日ですか」「はい、たぶんないと思うんですけどねぇ、ははは」「そうですねぇ……あ、1席ありますよ」「え!そうですか、それお願いします」「じゃすぐ出します」やりました、直前までめげないことが指定獲得の定石です、っていうか1ヶ月前に確保しておくのが定石ですが。

  • まだ1時間くらいは余裕があるので、品川からまっすぐ北へ(第一京浜)歩いてみることにします。あまり何もありませんな。30分くらい歩いて田町駅に近づき、この散歩もただの徒労に終わるかと思いながら何気なく道端の光っているものを見ます。なんだ自販機かと思って通り過ぎようとしたのですが、「東京テレメッセージ」の文字が目に入り、ビックリしてよく見てみます。なんと、ベルの自動販売機です。ここでベルを購入して、電話で加入手続きをすればそれだけで使えるようになるらしいです。課金とかどうするのか詳しくは分かりませんが、あるメディアも末期になるとこうなるのかという一例をかいま見ることができました。

  • 再び歩き出してしばらくすると、顔に何かが当たって痛みを感じました。一瞬だったのですぐには分からなかったのですが、どうもみぞれだったようです。寒いわけです。本当にそのときだけで、すぐにただの雨になってしまいましたが。田町から東京へ行き、ムーンライトながらに乗り込み、余裕で浜松へ帰ってきます。深夜の3:38です。指定席券が名古屋までになっていたので、降りる際に、デッキでひとり丸くなっていたヤンキー風のねーちゃんに差し上げてきました。

前日へ 翌日へ 今月の目次へ 去年の同日へ

Home