業務日誌

2004/02/29 Sun 「こんな味だったけな」

今月はうっかりしていたらX-dayである2月11日を過ぎてしまい、吉野家の牛丼の食べ納めをしそこねてしまいました。日常的にいただいている吉野家の牛丼がしばらく食べられなくなるのだからいまのうちに食しておこうと思うのはごく自然な感情だと思うのですがそれを「単純な国民」と見る人もいるのですなというかいままで吉野家入ったことのない人が直前になって押し寄せたというのはかなりヘンテコなおもしろ現象であると同時に牛丼っていつからカレーやラーメンに続く国民食になったんですか牛丼という料理に原因があるのではなくて1991年の牛肉輸入自由化とマクドナルドの休日倍額バーガーに端を発するデフレブームの2点しか理由などないのでは……などと牛丼ひとつで多方面に思考がめぐってしまうのも2chの影響であり元をたどれば新爆氏の文体の妙によるものなのでしょう。

というわけで、狂牛病に続きトリフルエンザ(←昔何かのテレビアニメでこの表現があったはず)で泣きっ面にハチな吉野家が3月中旬にも販売を休止してしまうと言われている「焼鶏丼」を食べるため吉野家新宿1丁目店へ。焼鶏丼は牛肉輸入中止にあわてた吉野家が突貫で作ったメニューと思われているフシもありますが、吉野家通の間ではかねて知られていた商品なのです。なのです、といっても私は吉野家通ではなく素人なのでこれまで食べたことはなく、現在提供されているものと同じメニューなのかはわかりませんが。ともかく、ポッと出ではなくそれなりに由緒正しきメニューなのだそうですよ。ですから、なくなる前にこれはぜひ一度咀嚼しておく必要があると思ったのです。

ちなみに、焼鳥丼その他の隠れメニューは前回2001年ごろの牛騒ぎをきっかけに開発されたもののようで、有名なところでは親子丼が初台店などで以前から提供されていました。そのほかにも「麻婆丼」「とろろ丼」「海鮮雑炊」などのメニューが各地の店舗限定で存在したようで、その一部が現在新メニューとして活躍しているということです。「前回の牛騒ぎからの間吉野家は何の対策も取っていなかったのか」という声も聞かれますが、別メニューの開発による危機管理はすでに行われていたわけです。あくまでアメリカ産(もしくは国産)牛肉にこだわるという姿勢が良いのか悪いのかはともかくとして。

東京厚生年金会館向かいの新宿1丁目店に到着。日曜の夜8:00過ぎ、駅からやや離れた店舗でなので店内には2名ほどのお客さんしかいません。さっそく焼鶏丼を注文しようと思いますが、メニューや張り紙を見回してもどこにも焼鶏丼の文字がありません。焼鶏丼提供店舗であることはWebで調べたので間違いないはずなのですが。「あれっこちらのお店では焼鶏丼はやってませんでしたっけ」「すいませんなくなっちゃいました

豚丼の張り紙早っ! もうおしまいですか。せっかく電車に乗ってまでこのお店へやってきたのに。月に1〜2回の利用では吉野家への愛情としては不十分なのでしょうか。焼鶏丼の代わりには、まだ公式リリースはされていませんが全国で試験販売中の「豚丼」がラインナップされています。まぁしかし豚丼は来月にも正式メニューになると思われるので、あわてて食すこともありません。今日は、まだ試していなかった「カレー丼」をいただくことにします。

ひと口食べてみて思い起こされたのが、小中学校時代の給食カレーです(私の地元では中学校も小学校と同じ給食センターの給食でした)。給食のカレーは「カレーライス」という料理とは似ても似つかず、「給食カレー」としか表現できない食べ物だったような気がしますが、私は大好きでいつも3杯くらいいただいていました。たまに食べると妙においしく感じる立ち喰いソバ屋のカレーも比較的給食カレーに近い味で、カレーライスではなくあくまでドンブリメシとしての「カレー丼」であるところにはやはり何らかのこだわりがあるのでしょう。具体的にはダシを使ったりというところに差があるのでしょうが、まぁ私の舌は鈍感なのでよくわかりません。

そんなわけで、ちまたの評はいまひとつですが、少なくとも私はこのどこか懐かしいような気持ちにもなってしまう吉野家のカレー丼をけっこう気に入ってしまいました。丼の中のカレーがあとふた口ほどになったとき、店内にはくるりの『ばらの花』が流れていました。

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