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2001/02/26 Mon 晴 寒 「有楽町で逢いましょう」


先日、就職活動のバイブルリクナビから日経BPにエントリーシートを提出してみたところ、「門前払いだけは勘弁してやる。セミナー兼筆記試験会に来い」というハガキが届いたので今日はそれに赴きます。エントリーシートと言ってもページ上で空欄を埋めていく形のものだったので、提出期限1時間前になってワーワー言いながら書いて、結局提出期限を5分くらい過ぎてしまっていたのですが、そのへんはあまり厳密には見ていなかったようです。サンクス。

昨日は寝たのも遅かったので今日は起きるのも遅く、普段遊びに行くときに比べると出発もだいぶ遅れましたが、昨日勇んで購入した靴とネクタイを着用して出発。いやーしかしですね、足りなかったのは靴とネクタイだけじゃなかったのですよ。まず、スーツに合うようなコートがない。今日は結構寒いので、何も上に着ずに行くのは無理。また、スーツに合うようなカバンもないのですよ。っていうか、遠足リュックか、学校に行くときに使う肩掛けカバンか、どちらかしかないのですが。ないものは仕方がないので、バイクに乗るときの上着と肩掛けカバンで出かけます。駅のロッカーにでも突っ込んでおけばいいだろう。

浜松駅から電車に乗り込むのもだいぶ遅かったです。カッコつけて今朝の新聞など持ってきていましたが、読もうとしたら秒速300km/hで眠くなってきて撃沈。熱海からは久々に「Double Decker Liner」2階建快速アクティーに乗車。乗客数至上主義なキツキツの座席がいい味を出している、私お気に入りの車両です。正確な時刻は見ていませんでしたが、東京に到着したころには、もう飲食店から昼食客がすっかり引いているころでした。

地下鉄を乗り継いで麹町駅で下車。いらない荷物はコインロッカーに突っ込んで、時事問題対策に「サイゾー」だけ持って、駅を出ます。しまった! 写真がなかった。幸い、駅のすぐ近くに証明写真もやっているDPE屋があったので入ります。早速撮ってもらうと、店員はカメラをくるっと反転させ、「こんな感じですけどよろしいでしょうか」と画面を見せます。ああ何だ、よく見たらディジタルカメラだったのね。ちなみに今大人気のソニー製よ。せっかくなのでもう一度撮り直してもらって、5分ほど待つと出来上がり。4cm×3cmが6枚で1000円。

ちょっと道に迷いましたが、何とかして会場の都市センターホテルにたどり着きます。指定のホールに入ると、オウさすが大企業の試験です、受験者はざっと見たところで400人はいるでしょうか。ほとんど席は埋まっていて、後は後ろの2〜3列が空いているだけでした。そそくさと席につき、サイゾーを読んでいると、間もなくして人事部の方が出てきて、ごあいさつから始まります。私の列は後ろから2番目で、前のステージなんて全然見えません。

人事部長が出てきて会社説明が始まります。「日経BPという会社を大学に入る前から知っていた人はちょっと手を挙げてみてください」と言われたので手を挙げたのですが、手を挙げたのは意外と少なくて20人くらいでした。その次に「大学に入ってから知った人」と聞かれるとほとんどの人が手を挙げていて、まぁそんなものなのですかね。イヤ私ウソをついてしまったかもしれません。大学に入る前に知っていたのは「日経マグロウヒル」社で、社名変更で日経BPになったのを知ったのは大学に入ってからだったかも。

今日は午前から行われていた試験もあって、これはもう第2部ということだそうです。で、このホールには400〜500人は入るということなので、つまり総受験者は800〜1000人ですね。さすがにマスコミ志望者は多いものだなと感心しつつ、リクナビに表示されていた志望者数よりはだいぶ少ないなとも思います。ホームページ見れば分かるような会社説明が20分ほど続き、この部はおしまい。

休憩時間に入り、隣の席にいたねーちゃんがタイプだったのでナンパ(半ウソ)するも「このホールだと試験をするには手狭なので受験者のみなさんは2会場に分かれていただきます」とのアナウンスが入り見事に分かれていきなりやる気をなくしたところで試験開始です。

1時間目は自己紹介書と作文です。自己紹介書はただの履歴書で、志望動機を書くようなところさえありませんでした。でも「OSのインストールやシステムの設定はできますか」「プログラミングできる言語は何ですか」という欄はありました。にしても、プログラミング言語の選択肢に「HTML」があったのはおかしいと思いますよ。まぁ一応マルをつけて、その他欄には「JavaScript」と書いてハッタリをかまします。作文は「テーマ:『光』800文字以内」という、ミーハーな会社にありそうな問題でした。高校の推薦入試でも同じ問いでしたよ(そのときは落ちました)。「光の性質を持つものは自然界には他に存在しないが、人間はそれを作り出した。その正体は情報である」なんて電波な内容を、腹が減ってきたので速攻で書いて提出して、近くのコンビニへ走ります。


2時間目は時事教養と英語です。時事教養では政治経済の話だけでなくIT(プププ)知識の問題もかなり出ました。「ADSLの説明として正しいものはどれか」というような。しかしIT以上に「あ痛てー」な問題があったので紹介します。問題見た瞬間、静かに爆笑しましたよ。

問. 次のうち次のうち音楽のジャンル名でないものを選べ。
  • テクノ
  • ハウス
  • R&D
  • ヒップホップ
  • ハードコア

ギコハハハハハ、そうですね、ビジネス誌の出版社なのだからそりゃR&Dくらい知ってないとね。あれでしょ、最近流行ってるあのクソうっとうしい音楽でしょ宇田田とか平居とかイヤーそれくらい私も知ってますよ。しかしアレですな「女性R&D」とか「男性R&D」とか、性別を頭につけてその後日本語訳するとぁゃιぃですな。女性はともかく、「男性研究開発」ってどうよ。

腹を抱えながら次は英語です。制限時間は30分です。ウーン主題は経済のグローバル化のようですが知らない単語ばかりですな。ひとまず選択肢に目を向け………………「あと5分です」あっしまった、寝てしまいました。人事部長の話の中で「先ほど受験参考書を必至に読んでいた方を見かけましたが、まぁ気負わずにリラックスして、普段の自分を出すつもりでやってください」と言われたばかりで、本当に普段の自分を出してしまいましたよ。しかも私の場合気負って読んだのが参考書でなくサイゾーだし。スマソ。

3時間目は基礎能力と適性検査です。基礎能力は主に国語と数学の問題でした。しかしですねぇ、国語の大問4つのうち最初の課題文がすごかった。乳児が母乳をどのように摂取するかということを述べた医学の文章だったのですが、「唇を乳房に密着させたまま乳首を口腔内に完全に導入し、上唇と下唇で乳首に加圧して母乳を押し出したところで顎を下方へスライドさせ吸啜する」とか官能小説顔負けの描写で圧倒されましたよ。普通、人間が液体を啜るときには吸引力がメインになるのですが、まだ呼吸器が未発達の乳児が母乳を啜るときには、吸引するよりも唇で圧迫する力がメインになるそうです。だから、粉ミルクをほ乳ビンで与えるよりも、母乳の方がアゴの発達にも良い影響を与えるのだそうです。初めて知りましたよ。そうか吸引のではなく圧迫が良いのか。今度からそうしよう(半ウソ)。

数学は下手ですがまあまあできたつもりです。私の場合数学が苦手とか嫌いとかじゃなくて、下手なのです。最後の適性検査は「仲間のことを考えて行動するほうですか」「他人の意見に逆らってでも自分の理想を成し遂げるほうですか」のような問題に「常にそうだ」「そうしたことがある」「そうしたことはない」で答えるようなものでした。これまでいろいろなところで何回この手の診断を受けたのか分かりません。延々150問も続き、頭がトリップしてマークシートのマス目がゆがんで見えるようになってきました。エンピツの先が真ん丸になるころに終了。

通路沿いで受験している人の机上にあるハガキを、チラチラ見ながらホールを退出しました。今回の筆記試験の案内はハガキで来て、その宛名面に受験番号が書いてあるので、みんな机の上に出しているのです。で、席からホールの出口まで歩く間に15人ほどのハガキを見たのですが、神奈川県が1名、大阪府が1名いたほかは、全員東京都。ウヘー、静岡県なんてところから応募するのがそもそも身の程知らずだったと嘆くべきか、それとも静岡県なんてところの人間でも試験に招待していただいたことを光栄と受け止めるべきか。

こうして、全部終わったころには8:30を回っていました。長かった。もう鈍行列車で浜松へ帰ることはできない時間です。ひとまず地下鉄の駅へ戻ります。有楽町線なので、せっかくだから有楽町へ行ってみましょう。しかし有楽町駅で下車して地上へ上がると、意外とひっそりしていて地味な印象です。陰気なところにいても仕方ないので、明るい銀座方面へ歩いていきます。松屋(牛丼じゃない)のはす向かいの教文館「Title」4月号を購入。この書店は雑誌の置き方がすごくいいです。

徒歩で東京駅へ。夜行快速ムーンライトながらの指定席券を購入。閑散期なのでいつもより200円安くて310円。まだ2時間ほど時間があるので、時間をつぶすため白木屋八重洲中央口駅前店へフラフラフラと。淡麗飲用したりお茶漬け食したり淡麗飲用したり鳥皮食したり淡麗飲用したりしながら、先ほど購入したTitleを読みます。ひとりで居酒屋来ることって結構あるのですけど、これを話すとほとんどの人が「信じらんなーい」という反応を示すのですね。ファミレスとそう変わらないと思うのですが。以前、これについて議論になり「だって一人で酒飲むの寂しいじゃん」「そうかー? 飲み屋でもうちでもそうだけど、完全に自分のペースで飲むから、一番うまいし落ち着けるがね」「そうじゃなくてー雰囲気の問題」「別にー」「お前、女要らないだろ?」余計なお世話です。

しかしまぁ確かに、Titleを話し相手にひとりで飲んでいる奴はあまりいないでしょうな。そんなわけで2時間淡麗で引っ張って、席料込みで1880円。ね、ファミレスでちょっと高いもの食べるよりはよっぽど充実していますよ。千鳥足でホームに転落しないように気をつけましたが、もう列車が入線していたのでその心配はありませんでした。着席と同時に就寝。検札が来たはずなのですが記憶にありません。起きたら浜松駅で停車中でした。気がつかなかったら終点大垣まで行ってしまうところでした。危ない。


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