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2000/12/09 Sat 〜 2000/12/10 Sun 「西と東」


鈍行列車で西へゴゴーゴー。浜松を出て、とりあえず大阪まで行ってみました。途中豊橋と米原で乗り換えです。東海道線で浜松-豊橋間を通るときというのは、ほぼ確実にどちらかの駅で乗り換えないと先へ進めなく不便きわまりないです。東海道本線とはいえ基本的に静岡県下はローカル線みたいなものですからな。しかし県民がこれに文句言うのはお門違いというものでしょう。文句あるならテメーが引っ越せって感じですかね。鉄道需要の少ないところに住んでいるほうが悪い。

にしても米原ってクソ田舎自然がいっぱいですね。交通の要所だからもっと街街しているかと思ったのですが。道中はほとんど寝ていて、米原に着いて乗客がドヤドヤ下りる音で目覚めたのですが、まず目に入ったのが山だったので、乗り換えを間違えて変なローカル線に入ってきてしまったかと思いましたよ。駅の雰囲気も今までと全然違うし。ああ、ここからJR西日本なのですね。これまで、名古屋から西に鉄道で行ったことなんてなかったですから。JR西日本バージン。

本場の新快速(JR東海のは西日本を見てまねたらしい)に乗り換えて、大阪までまた寝て過ごし。今回は豊橋からずっと転換ロングシート(背もたれをガチャンと倒すと反対方向用の座席にできるやつ)の車両だったので足が伸ばせて楽チンでした。それにしても大阪駅ってこりゃゴチャゴチャ感がすごいですね。ただ慣れていないだけかもしれませんが、東京駅よりすごいと思いますよ。

それにこっちのほう来ると知らない路線ばっかりで。神戸線とかあって何だそりゃと思ったら東海道線の別名だったり、東西線と聞いて地下鉄かと思ったらオイオイJRに東西線なんてあったのか初耳だよとか。そんなこんなでまるで田舎者であるかのように、いや田舎者なのですが、キョロキョロとあちこち見回しながら、一度入ったら二度と生きて帰ることはできないと言われる広大な梅田地下街へ歩を進め、地下鉄を乗りついで日本橋へ。

思ったよりも日本橋の電気街って長いですね。でも秋葉原や大須と違って、これといった大店舗がなくて、みんな同じように軒を連ねている感じです。しかしいまさら電気関係で見るものも特にないわけで、片っ端からよく見て回るようなこともなく。とはいえ日が暮れるまで日本橋にいたのですけどね。いや、やっぱりどこへ行っても、電気街って一番落ち着くのかもしれませんな。

大阪駅へ戻って、ギューギュウ詰めの新快速で神戸へ行き、ぴあフィルムフェスティバルの上映会場、新開地の「神戸アートビレッジセンター」へ。こういうのの客層ってどんなだろうと思いましたが、オシャレな文化系な人と映画フリークっぽいコアな感じの人とあとは普通の人といった具合で、あまりカラーはなく。

上映開始。私が入場した回に上映されたのは、入選作品のうち「ヒコーキ雲」「ワタシハコトバカズガスクナイ」「鈍色ノ雨ガ降ッテクルッ」の3本。「ヒコーキ雲」は何というかお約束が好きな人にはいいのかもしれませんがそうでない私にはちょっとこりゃ勘弁なサワヤカ青春もの。

大変申し訳ないのですが、この時点で少々萎え気味になってしまったのですが、次の「ワタシハコトバカズガスクナイ」が始まったらオワなんじゃこりゃな感じでけっこういいあんばいです。私のパターン認識能力が劣っているためか(いやたぶんドラマを見慣れていないためでしょう)、1回見ただけでは話の筋は分かりませんでしたが、非常に勢いのいい映像のつなぎ方が好感持てました。娯楽性も比較的高かったように思います。私が娯楽性という言葉を使うときは、たいていほめ言葉です。今回ももちろんそうです。

でトリの「鈍色ノ雨ガ降ッテクルッ」ですが、びあの紹介文は「高校で男子生徒がレイプされた。団地で息子が母親を殺した。」という表現で始まっていて、そんな萌エ萌エ〜(←誤用法)なテーマかと思いきや、それ自体は描かれるものではなく。それはともかく、小説「ノーライフキング」(いとうせいこう)なんかが大好きな私にはジャストミーツでした。

大きな桃がどんぶらこ→イヌサルキジのお供をつける→鬼は退治さるとういうようないわゆる「ストーリー」がある映画ではないので何とも説明つけにくいのですが、空気というか表現には強烈に惹きつけられましたね。都市にただよう「鈍色(にびいろ)」、私個人はけっこうそれと共生できているかも。なんて分かったようなこと言っていますが。上映会が終了した後、監督の鳥居氏と少しお話させていただいたのですが、あまり作品の感想等についてお話できなくてすみません。ただ、こういう映画を見て、「あれは○○ということを表現したのですか」とか、正しい解釈を確認するような質問は野暮だなとも思いましたので。

近くにカプセルホテル「Asahiカプセルアンドサウナ」があったので、今日はそこに宿泊することに。男に生まれて何が良かったって、どこでもカプセルホテルが使えることですね。女性OKのカプセルはほとんど見つからないですからね。で、ここですが、3300円という比較的低価格にも関わらず、割ときれいで新しい(または最近改装)感じで、お風呂も大きく非常に良かったです。本当に何よりも良かったのは、従業員の方々の接客態度がみなとてもキビキビしていてなおかつ丁寧だった点です。非常に満足度の高い宿泊でした。

翌朝は5:00くらいに起きて、まだ真っ暗の中電車に乗って東へ逆戻り。睡眠時間がやや短かったので、相変わらず電車の中では寝ているのみです。耳栓をつけて寝ていたら、途中乗り換えの米原で車掌さんに起こされました。浜松で一度うちへ戻って、荷物を一部置いて、着替えて、再び駅へ行って東へ。昼飯食している時間がなかったので、奮発して駅でうなぎ弁当(800円)なんて購入してしまいましたよ。車内でバクバク食して、また寝て、熱海で乗り換えて、また寝て、ああもう東京です。さすがに西の都から東の都まで鈍行列車で移動すると、もう夕方ですが。


渋谷へ。今日は渋谷CLUB QUATTROでMOTOCOMPOその他のライブです。それほど時間もないので、すき屋で牛丼を食してすぐパルコbyクアトロへ。クアトロの前で何かビラ配りしていると思ったら、「本日のライブ無料でご招待」とか書いてあって、チケット購入したワシの金返せって感じですね。っていうかそんなにチケットの売れ行き悪いのでしょうか。「チケットあるからいいです」とチラシをお兄さんに返して、ともかく中へ。

クアトロって名古屋も行ったことないし初めてなのですよ。夏に行ったON AIR EASTみたいだったら少し興ざめだなとも思ったのですが、有名ライブスペースの割にはこぢんまりした感じでいい具合でした。始まるまではまだ30分以上時間があるのですが、ドリンクチケットで発泡酒をもらい早速景気づけを。

客層は、前のほうにコアファンと見られる高校生くらいの女性グループが10数人、同じく前のほうにコアファンと見られるヨレヨレのトレーナーを着たオタッキーな男が2〜3名人、その他はいわゆる普通人。一人で来ているか、同性の友達を連れてきている人が多いですね。とにかくまだまだ客はまばらで、ガラガラムードです。確かにやばいかなこりゃ。それにしてもこういう手持ちぶさたな時間って、タバコが吸える人はみんなそうしているようですが、私なんかはタバコを常用する習慣がないのでまさに無沙汰な時間。仕方ないのでこういうときはガムをかむことにしていますよ。

7:00くらいにはまあまあ入ってきて、オーディエンスは120人くらいか。それでもこぢんまりしていますな。本日の対バンは登場順に「GOMES THE HITMAN」「The Psychedelic Kinky Fellows」「GIRAFFE」で、トリがMOTOCOMPOです。っていうかほとんどの客はMOTOCOMPO目当てのようで、はっきり言って前の3グループのときはオーディエンス側引きまくりでした。多少ゴメスのときにノったくらいか。でもゴメスのヴォーカルの山田くん(以前お会いしましたな)のMCは大変好感が持てました。「GOMES THE HITMANってすごく強そうな名前ですけど、そうじゃなくて、さわやかなポップバンドで、ぼく、こんなやせっぽちで……でも、負けないように強い名前つけました」萌えるね。

他の2バンドは、一応前もって調べてみたのですが、私とは住んでいる世界が違うな、と思い、ほとんど興味もなく。が、それ以上にほとんどのお客さんは興味ないようで、特にオイ一番前のオタク、お前、ムチャクチャ一生懸命プレイしている目の前で、手すりにうつぶせになってあくびはないだろ! やりすぎ。MOTOCOMPOみたいにアクのあるバンドがメインだと、対バンは苦しい思いをしますよね。いつかPOLYSICSのときもそうでしたが。

で、「MOTOCOMPO」です。まず、バンド入れ替えのときに、ことごとくステージ上の物が片づけられてしまうのがすごい。ドラムとか真っ先に解体されてハケられてしまう。この時点でもう他の3バンドとは違いすぎです。さらに、何か知らんですけど、ステージ奥にホリ幕(ホリゾント幕)が張られましたよ。さながら映画のスクリーンです。

予想通り幕にでかく「MOTOCOMPO」の文字が投影されて、かかるBGMは「TINY LACK'N'ROLL」いきなりインディー時代の曲でスタートっすか。と、音楽に合わせてめまぐるしいほどの映像が投影されます。うわー、メンバーのHis@yaはライブではVJか。そこへDr.Usuiがボコーダーで声を入れまくる。いじるのはボコーダーとサンプラーだけで、あとはシーケンサー任せで曲を演奏するというのもすごい。

そして最後にchihoさん登場、メジャーデビューシングル「TAKE ME YOUR PARTY」で一気に上げていきます。私は左側の隅にいたのですが、うわ、右のほうではBメロの部分で手たたいてる人がたくさんいて楽しそう、いや今日はワンマンじゃないし、着替えも持ってきてないし、隅でまったりと鑑賞しようと思っていたのですが、何かもうそんな理性の余裕は失われ、前から2列目へ入って右のほうへ寄って一緒に手を挙げます。

新譜が出たばかりというのに、その後もインディー時代の曲をバンバン出していきます。コアファンと、メジャー時代からの新しいファンの間ではちょっと温度差があったか。まぁそんなことを考える余裕もなくガンガン楽しみましたよ。とにかく感じたのは、相変わらずすごく奔放で、とにかく自由で、すがすがしいくらいに、それでいてピコっていて。変にロボットみたいな動きをするようなこともなく、演奏しながらジャンプしたりもするし、笑顔も見せるし。変なところで型にはまるようなことが全くなくて、でもムチャクチャをやるのではなくて。楽曲についてはいまさら何もいうことはありませんが、この奔放さには改めて感心。

最後は「DISCOTHEQUE MURDER」で締めて、そのままスタスタと退出。アンコール無し。ほんとあっという間ですね。もっともっと見たかった。MOTOCOMPOのライブは初めてなので、「お約束」もほとんど分からなかったし。と、この時点で、25日に原宿で行われるライブ(TRANSONICレーベルのイベントにゲスト参加)にも行こうと決意。

帰りに一応バナナレコード渋谷店に寄って、ススムヨコタのLPが800円で出てきたので購入。こういう有名DJモノのレコードってほとんど購入することなかったので、たまにはお勉強です。帰りのムーンライトながらは、自由席になる小田原からはかなり混みました。さすがこのシーズン。


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