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2000/09/03 Sun 快晴 暑 「中央沿線」


結局昨夜寝たのは4:30なのですが、今日くらいしかキャピタルへ精神注入に行けないと思い、浜松6:55発の熱海行きに乗り、快速アクティーで東京へは11:11着。乗る列車はいつもの通りです。中央線に乗り換えて、普段なら新宿で下車するところですが、いつもいつもバカの一つ覚えで新宿ということもないだろうと、今回はさらに先の吉祥寺まで足をのばします。

何だかけっこう西のほうまで来た気がしますねぇ。未知の世界ですよ。23区外だし、ここまで来たら街もそんなには混み合っていないかと思ったら浜松なんかより全然都会じゃん。スイマセン、なめてました。よく考えてみれば環八からせいぜい3kmくらい西へ行っただけのところですよね、まだまだ十分メトロポリス東京な圏内でした。さて腹が減っているのでまず昼飯を食さんと店を探します。シェーキーズの看板が見えますが、独り黙々とシェーキーズでバクバク食しているのも少々わびしいものがあるので、もう少し先へ歩いていって見つかったドトールへ。ドトールは独りが似合う。

中古レコード店に入ったり電器屋へ入ったり古本屋へ入ったり、どこの街へ行ってもやることは同じです。名前も知らない中古CD屋で、HI-POSIのアルバム「HOUSE」を購入。HI-POSIは、私が聴く中で唯一「曲≦詩」な比重の音楽かもしれません。私の聴く音楽は、ほぼ間違いなく「曲>詩」、つまり、曲に比べて詩の重要性が小さいという。

全然下調べをしていないのでどこに何があるのか全く分からないのですが、偶然ディスクユニオン吉祥寺店を見つけることができたので、勇んで乗り込みます。うわーさすがユニオン吉祥寺、どでかい新宿店よりもこちらを好む人もいるくらいで、品揃えがメチャクチャナイス。後で調べて分かったのですが、タワーレコード浜松店よりもここって店舗面積小さいんですね。それで新譜だけでなく中古も取り扱っていて、何でこんなにウキウキした気分にさせてくれるのでしょう。ちゃんとグレーとかヴッチモニとかそういうスカトロコーナーもあるのに、オルタナ・アヴァンギャルド・ノイズなんかも充実しています。新宿店くらいフロアがあれば、いろいろあって当然って感じですが、このスペースにこれだけキッチリ揃えるというのはさすが。やっぱユニオンいいわ。

とはいえ持ち合わせもそんなにないのであまり冒険する気にはならず、クラフトワークのLP「ヨーロッパ特急」を購入するにとどまります。もっと下調べして、時間も金も余裕を持って来ないとダメですな。でもホント気に入ったわ。それにしても吉祥寺って怖い街ですね、今日は中心街を歩いているだけで3回も呼び止められてしまいましたよ。最初の2回はアンケートなのですが、そのへんにいくらでも人はいるのにその間をかき分けて私のほうに向かってくるので怖かったです。

最後の1回は極めつけで「あのー、○○っていう雑誌(聞いたことのない名前。タウン誌か何かでしょう)作っている者なんですけど、写真撮らせてもらえませんか」「は?」もちろん半分無視するような形で断りましたが、何の企画だったんでしょうね。そりゃ今日はとてもいい天気でしたから髪の毛はきれいな緑色に光っていたでしょうけど、目立つのはそれだけで、着ているのはユニクロの土日特売で1280円の半袖シャツとユニクロの土日特売で2480円の綿パンで、斜め掛けしているミニバッグはユニクロで1000円ですよ。ちなみに下着は生まれてこの方グンゼよ。いやすいませんどうでもいいことでした。

少なくとも、イケてるお兄ちゃんをパチリンコ的な企画のはずはないので、こりゃあきっと「吉祥寺で電波なお兄ちゃんをチェケラ〜」な企画だったのでしょう。しかしそういう企画なら、急に近づいてくるんじゃなくて、前もって電波でコミュニケーションとってくれればこちらも心の準備ができたというのに。電波な企画をするならもっと電波について勉強してくださいよ。というわけでみなさん、髪を緑にしてユニオンのLP袋持って、ユニクロの服着て(←ここがポイント)吉祥寺を闊歩すると写真を撮ってもらえるみたいだゾ! あ、ユニオンに気を取られて、せっかく吉祥寺に来たのにshop33行くの忘れた。ついでに、バナナレコード吉祥寺店に行くのも忘れてしまいました。

新宿方面へ戻る形で中央線を乗り回し、今日のもう一つの目的地は中野です。中野といえば、まんだらけが入っていることで有名なショッピングビル「中野ブロードウェイ」です。うーんいろんな店が入っていますねぇ。中古レコード屋、古本屋はもちろんのこと、中国ポップス専門店、ビデオ編集屋、古銭商、映画ポスター専門店、ホビー系のその手のプロショップは何でもありといった感じです。もちろん、古くからの商店街の中のビルなので、婦人衣料店や装飾品店、飲食店などもたくさん入っています……ってこんなこといつか書いたぞと思ったら、先月神戸で訪れた三宮センタープラザと同じじゃん。もちろんこちら中野のほうがオタク度はかなり高いのですが、三宮もいずれはこうなっていくかもしれません。がんばれ、センタープラザ! 神戸のサブカル界はセンタープラザにかかっている!

さて、順番に店舗を見ていきましょう。自ら「音楽・映画・サブカル系雑誌専門」と銘打つ古書店「TRIO」は、主要な音楽雑誌、映画雑誌、サブカル雑誌(昔の宝島など)のバックナンバーがズラリ。ロッキングオンジャパンの創刊号なんて余裕で置いてあります。はーなるほど、あるところにはちゃんとあるものなのですねぇ。格闘技を中心としたスポーツ雑誌や、「宇宙船」等の特撮雑誌もありました。

「まんだらけ」は、マスコミに取りあげられることも多くだいたい予想はついていたので、特に驚くこともありませんでした。この中野ブロードウェイの中で一番面白かった店は、本と古書とミニコミとインディーズ音楽の店「TACO che」(タコシェ)です。何というか、一言で表現するのは不可能なショップなのですが、早い話が何でも屋ですね。置いてあるミニコミがハイレベルで、面白いものが揃っています。その中でも特に気合いの入った「ZAMDA」第5号を購入。学校の印刷機で刷ったレベルの印刷品質なのですが、とにかくボリュームがすごくて、120ページくらいあります。綴じてあるだけでノンブルがないので正確には分かりませんが。内容も、杉並区紀行、笑点批評、20世紀デザイン切手、4コママンガ誌についてなど多彩で、どれも圧倒的なテキスト量。これで600円は安い、かも。

これまで、日本のサブカルチャーのィエルサレムは新宿だと思いこんでいたのですが、いや確かにそれは間違っていないとは思うのですが、新宿というのはあくまで「ハレ」と「ケ」でいうところの「ハレ」の場であるわけでして、むしろ日常的に摂取あるいは消費するサブカルチャーというのは、新宿から西へ伸びた中央線沿線地域にあるのですね。サブカル系の文章を読んでいると「中央沿線的」などという表現がたまに出てきますが、やっとそれが分かったという感じです。こんなことはサブカルな人々の間では常識以前なのでしょうけど、田舎住まいの人間にとってはなかなか実感として得難いものがあったのです。なるほどそれで中央線では自殺が多いのか。実際今朝も私が東京へ到着する前に一人飛び込んだばかりだったそうなのですが、きっと線路から電波が出てて、感度のいい人がついついそれに引き寄せられてしまうのでしょうね(失言)。

まだ少しだけ時間があるので、まぁ秋葉原へ。つまらんつまらんと言いながらもここへ来てしまうのがオタクの悲しき性。新宿を対称点にして、秋葉原って中央線の反対側ですね。そのままずっと東へ行くと幕張へたどり着くことだし、中央線がサブカルなら総武線はオタクということになるわけですね(強引)。

しかし今日はちゃんと秋葉原へ来るにも目的があるのです。秋葉原界隈の一番北の端に「CompuAce」というジャンク屋があって、そこへ行くのです。日曜で歩行者天国になっている中央通りのそのまたど真ん中を闊歩していく自意識過剰。さてたどり着いたCompuAceですが、外から見ると一見ただの小さなジャンク屋なのですが、中に入るとその一部のスペースが音楽CD売り場になっているのです。おおー、ここが噂に聞いていたトーキョーアンダーグラウンドテクノの隠れた宝庫、秋葉原eARS(イアーズ)なのです。

というわけで、hyperrichの伝説的アルバム「任天導師セガソニー」(ゲームネタではない)・ササノハレコード所属アーティストの「てんぷく3(トリオ)」によるミニアルバム「てなもんや四度笠」・非常に高品質なネタ系テクノレーベルGFK RECORDSのコンピ「DOKKING ALBUM VOL.2」を購入。ジャンクを求めてやってくるお客さんが、CDを手にとって首を傾げていたのが印象的でした。

このところ絶好調の「がめーず」も一応立ち寄ってみたりして。久々に本店の方。こら、オタクども、こっちジロジロ見るなよ! 頭緑だからって、これは別にでじコスとかしてるわけじゃないんですってば。とにかく、買うものないですけどねここでは。秋葉原駅の切符売り場の左側にある食堂でカツ丼食して東京駅へ。

いつもと同じく当日中にギリギリ帰ってこられる乗り継ぎで、23:53浜松着。今回のキャピタル訪問は、立ち寄った箇所は少ないものの、非常に充実していた気がします。今度来るときは、どんな店があるかをしっかり調べて、あと、今自分は何が欲しいかを分析してから出かけるべきですね。だいたい、初めて訪れた街というのは満足に散策できないものです。2回目からが本当の勝負なのです。

早速先ほど購入したCDを鑑賞しながら日誌の記述。今時計を見たら3:30ですよもう。あ、何で生活が不規則なのかやっと今分かりましたよ。全てはこの日誌がよくないのです。昨日だと1時間くらいしか時間かかっていないのですが、今日はいろいろ書くことがあってしかもそれが楽しく書けるので、現段階で既に書きはじめてから2時間30分が経過しています。まぁ趣味だからいいのですけど、いくら何でも時間かかりすぎか。


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